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暗号資産の20%分離課税はいつから使えるのか|法律は成立、適用日はまだ決まっていない

結論から書きます。20%の申告分離課税は、すでに成立した法律です。ただしいつから適用されるかは、2026年8月の時点でまだ決まっていません。2026年分として申告する利益は、これまでどおり雑所得(総合課税)です。

「2028年から20%」という説明が広く流通していますが、この2028という数字は法律に書かれているものではありません。どこから来た数字なのかを分けて説明します。

以下は2026年8月時点の公表資料にもとづく一般的な整理で、税務相談ではありません。個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。

成立しているのは何か

所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)が2026年3月31日に公布されました。暗号資産に関する部分の中身は次のとおりです。

  • 税率|「特定暗号資産」の譲渡等で生じた所得を他の所得と分離し、20%(所得税15%+個人住民税5%)で課税します。復興特別所得税を含めると20.315%です。
  • 繰越控除|その年に控除しきれなかった損失は、一定の要件のもとで翌年以後3年内の特定暗号資産に係る所得から差し引けます。
  • 対象|すべての暗号資産ではなく「特定暗号資産」に限られます。

いまの雑所得・総合課税は、所得税5〜45%の累進に住民税10%が乗るため、高い区分では合計約55%になります。損失は翌年に繰り越せません。差はかなり大きいということです。

適用日の決まり方

ここが本題です。改正法に書かれている適用時期は、日付ではなく条件です。

金融商品取引法等の改正法が施行された日の属する年の、翌年1月1日以後に行う譲渡等から適用されます。

その金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律は、2026年7月15日に成立しています(2026年4月10日提出)。暗号資産を金融商品取引法の枠組みに位置づける内容を含みます。

ただし成立と施行は別です。施行日は政令で定められ、2026年8月の時点では公表されていません。

「2028年から」はどこから出てきたか

逆算です。施行までには内閣府令の整備や、業者側の登録・体制整備の期間が要ります。そこから施行が2027年中になると見た人が多く、その翌年である2028年1月1日という数字が広まりました。

これは合理的な推測ですが、推測です。施行日が前後すれば、適用開始年も丸ごと1年ずれます。

「2028年から」と断言している記事を見たら、それは条文ではなく著者の見通しだと思って読んでください。

まだ決まっていないこと

  • 施行日そのもの|政令待ちです。
  • 「特定暗号資産」の範囲|どの銘柄が該当するかは政令・内閣府令で具体化される部分が残っています。国内で扱われている銘柄については取扱いの審査の仕組みも参考になります。
  • 取引の相手方による差|国内の登録業者を通さない取引がどう扱われるかは、本稿の時点で確定的な情報を確認できていません。断定している解説を見かけますが、一次情報での裏取りができていないため、ここでは書きません。

いま実際にやっておくべきこと

制度が動く前提で、効くのは次の3つです。

  • 取得価額の記録を切らさない|税率が変わっても、取得価額が分からなければ計算できないことは変わりません。計算のやり方で必要な記録をまとめています。
  • 年間取引報告書を毎年落として保存する|業者が撤退すると取り出せなくなります。実際に事業を畳んだ例があります。
  • 売却時期を税率だけで決めない|開始年が1年ずれる可能性がある以上、「あと少し待てば20%」という前提で持ち続けるのは、根拠としては弱い判断です。

よくある質問

2026年に売った利益は20%になりますか。

なりません。適用は金融商品取引法等の改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の譲渡等からで、その施行日はまだ決まっていません。2026年分は雑所得として申告します。

いま含み益があります。売るのを待つべきですか。

税率だけで判断するのは危険です。開始年は施行日次第で動きますし、その間の価格変動のほうが税率差より大きくなることもあります。当サイトは売買を推奨しません。

損失の3年繰越はいつから使えますか。

同じ適用開始日からです。それ以前の損失を持ち越せるかどうかは経過措置の定め方によるため、確定情報を待ってください。

施行日はどこで分かりますか。

金融庁の公表資料と官報です。税務の取扱いは国税庁の公表資料で確認してください。

この記事は情報提供のみを目的とした一般的な解説で、税務・法務・投資の助言ではありません。記載内容は2026年8月時点の公表資料にもとづきます。制度は施行日と政令の整備により具体化されるため、必ず国税庁および金融庁の最新の公表資料をご確認ください。免責事項

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