銘柄: 18,090時価総額: 353.69兆円 1.6%24時間出来高: 9.39兆円BTC ドミナンス: 56.2%ETH: 10.0%恐怖・貪欲: 27 恐怖

長期保有の実データ|上昇率だけでなく下落の深さを見る

暗号資産の長期保有(ガチホ)を語るとき、上昇率だけが引用されることが多いです。「○年前に買っていれば何倍」という形です。この記事はその裏側、つまりその期間に何%下がったかを同じ重さで扱います。

回復に必要な上昇率の非対称性

先に算数を確認します。下落率と、元の価格に戻るために必要な上昇率は対称ではありません。

  • 30%下落 → 43%上昇で回復
  • 50%下落 → 100%上昇
  • 80%下落 → 400%上昇
  • 90%下落 → 900%上昇

「最高値から90%下がったから安い」という表現は、10倍にならないと元に戻らないという事実を隠しています。ビットコインは過去に80%を超えるドローダウンを複数回経験し、そのたびに回復しましたが、それは「必ず回復する」ことの証明ではありません。

生き残った銘柄だけを見ていないか

長期保有の成功例として語られるのは、ほぼビットコインとイーサリアムです。ここに重大な選択の偏りがあります。

過去のサイクルで時価総額上位にいた銘柄の多くが、その後上位から消えました。開発が止まり、流動性が消え、価格が戻らないまま残っている銘柄が多数あります。「長期で持てば報われる」という一般化は、報われた資産の記録だけを見て作られています。

これは「ビットコインなら大丈夫」という意味でもありません。過去の回復は将来を保証しません。言えるのは、銘柄によって長期保有の結果がまったく違ったという事実だけです。価格一覧で時価総額と出来高を並べて見ると、名前が知られている銘柄と実際に取引されている銘柄が別物であることがわかります。

年別のデータで確認する

年別リターンのページで、ビットコインとイーサリアムの各年の騰落率を切り替えて確認できます。数字を見て気づくのは次の点です。

  • 年ごとの振れ幅が桁違いに大きい|イーサリアムは2017年に+8,984%、翌2018年に−82%、2019年は−1.5%でした。同じ資産の3年間です。
  • 平均は実感を表さない|数年の平均リターンを取ると高い数字が出ますが、その内訳は極端な上昇年と極端な下落年です。「毎年その平均で増える」わけではありません。
  • ビットコインとイーサリアムの動きは同じではない|相関は高いものの、年別で見ると差は大きく、2024年はイーサリアムが+46%でした。

この表は「買って持ち続けた場合」を各年1月1日起点で計算しています。当日の日付を起点にすると数字が変わるため、比較の基準を揃えるためです。

日本の税制が保有期間に与える影響

ここは海外の解説には書かれていない部分です。

2026年7月時点で、暗号資産の利益は原則として雑所得(総合課税)です。株式と違い、保有期間による税率の差はありません。1日で売っても5年持って売っても、その年の他の所得と合算した累進税率で課税されます。

実務上の含意は2つです。

  • 売却する年の所得が税額を決めます。給与が高い年に大きく利益確定すると、より高い税率が適用されます。
  • 取引回数が増えると記録の負担が増えます。長期保有は、この点では税務処理が単純です。ただし取得価額を何年も遡って管理する必要があります(計算のやり方)。

なお、2025年12月に公表された2026年度税制改正大綱では20%の申告分離課税への移行方針が示されましたが、大綱は方針であって成立した制度ではなく、適用は2028年からと見込まれています。将来の税制を前提に保有計画を立てるのは、根拠が弱い判断になります。

長期保有を選ぶなら決めておくこと

  1. 保管方法|数年動かさないなら、取引所に置き続けるのか自分で管理するのかを決めます。
  2. 自分に何かあったとき|鍵を自分で管理するなら、家族がアクセスできる設計が必要です。
  3. 下落幅の許容範囲|80%下落しても保有を続けられる金額か。続けられないなら、その金額が大きすぎます。
  4. 売る条件|価格ではなく、生活上の必要(住宅、教育、医療)で決めておくほうが実行できます。

よくある質問

何年持てばいいのですか。

当サイトは保有期間を助言しません。データとして言えるのは、過去のサイクルで高値から回復するまでに数年かかった例があるということです。

下がったときに買い増すべきですか。

それが機能するのは、その銘柄が回復するまで存続する場合だけです。積立は判断を減らす仕組みとして使えますが、損失を防ぐ方法ではありません。

ドローダウンはどこで見られますか。

年別リターンのページで、各年の騰落率と下落の深さを同じ表に並べています。表内の騰落率は米ドル基準で、円建てにはさらに為替の影響が加わります(円建て価格と為替)。

当サイトは情報提供のみを目的としており、投資助言を行いません。過去の実績は将来の結果を示すものではありません。暗号資産は投資した金額を失う可能性があります。免責事項