ウォレットとセキュリティ
マルチシグ
送金に複数の鍵の署名を必要とする仕組み。鍵1本の紛失や盗難で資産が失われない構成をつくれる。
マルチシグ(multi-signature)は、たとえば3本の鍵のうち2本の署名がなければ送金できない、という条件をブロックチェーン側で強制する仕組みです。「2 of 3」のように表記します。
効果は単一障害点の除去です。鍵1本を紛失しても残り2本で復旧でき、鍵1本を盗まれても資産は動かされません。共同運営の資金管理、法人の保管、家族への相続を想定した構成に向きます。取引所の内部管理でも標準的に使われています。
導入時の注意は運用の複雑さです。鍵を保管する場所を分散させる意味があるので、同じ引き出しに3本入れれば意味がありません。また、設定情報(どのアドレスの何 of 何か)も復元に必要になります。個人が数十万円規模を保管する用途なら、ハードウェアウォレット1台とシードフレーズの分散保管のほうが失敗しにくい、というのが実務的な感覚です。