銘柄: 18,090時価総額: 353.69兆円 1.6%24時間出来高: 9.39兆円BTC ドミナンス: 56.2%ETH: 10.0%恐怖・貪欲: 27 恐怖

Japan premium|国内価格が海外より高くなる理由と裁定の現実

国内取引所の価格が海外より高くなる現象を「Japan premium」と呼びます。過去には無視できない差が出た局面もありました。似た現象は韓国でも「Kimchi premium」として知られています。

差があること自体は事実です。ただし、それを取りにいく裁定取引が個人にとって成立するかは別問題です。この記事はその条件を具体的に洗い出します。

なぜ差が生まれるのか

暗号資産は世界中で取引されていますが、市場は完全には繋がっていません。国内価格が海外より高くなる要因は主に次のとおりです。

  • 資金の出入りに摩擦がある|日本円で入金した資金は、そのまま国内の板で使われます。海外へ持ち出すには暗号資産に換えて送金する必要があり、時間と手数料がかかります。
  • 国内需要の集中|国内でニュースが出て買いが集まると、供給が追いつくまで国内の板だけが上がります。
  • 銘柄ごとの流動性差|取扱いが1〜2社しかない銘柄では、国内価格が海外と大きく離れることがあります。差が大きく見えるのはこうした銘柄です。
  • 為替の影響|円建て価格には為替が乗ります。ドル建てで比較しているのか円建てで比較しているのかを混同すると、実際にはない差を見ていることになります(円建て価格と為替)。

裁定を実行するために必要なもの

「国内が高い、海外が安い」を利益にするには、海外で買って国内で売る必要があります。実行手順を並べると、必要な条件が見えてきます。

  1. 両方に資金を置く|送金してから売買するのでは間に合いません。両側に在庫を置き、同時に反対売買する形にする必要があります。つまり最初にまとまった資金を二重に用意します。
  2. 送金の時間|在庫を補充するには送金が必要で、承認待ちを含めて数分〜数十分かかります。その間に価格は動きます。差が数%なら、この時間で消えます。
  3. 手数料|両側の取引手数料、送金手数料、円の出金手数料。国内の円出金は数百円、送金手数料は銘柄とネットワークで変わります。
  4. トラベルルールの対応可否|そもそも送金できない相手先があります(送金で詰まる場所)。
  5. 出金限度と本人確認|海外取引所の出金限度、国内の入金上限、そして日本居住者への無登録営業の問題。
  6. 税務|取引ごとに雑所得が発生し、回数分の記録が必要になります。

数字で見ると残らない

100万円で3%の価格差を取りにいく想定で、コストを積み上げます。

  • 期待利益|100万円×3%=30,000円
  • 両側の取引手数料(往復で計4回、テイカー0.10%想定)|約4,000円
  • 送金手数料と円出金手数料|数百円〜数千円
  • 送金待ちの間の価格変動|±1%動けば±10,000円。これが最大の不確定要素です

手数料だけなら残りますが、価格変動リスクが利益と同じ桁にあります。つまりこれは裁定ではなく、方向を当てる取引に近くなります。加えて、実際に大きな差が出るのは流動性の薄い銘柄で、そこではスリッページが想定額を削ります。

大きな差が長時間残らないのは、業者やアルゴリズムが同じことを常時やっているからです。個人が手作業で見つけられる差は、たいてい実行コストを引くと消えます。

差を「情報として」使う

裁定に使えなくても、価格差の観察には意味があります。

  • 国内プレミアムの拡大|国内の買い需要が強い、あるいは資金の持ち出しに摩擦が生じているサインとして読まれます。
  • 特定銘柄だけの乖離|その銘柄の国内流動性が薄いという情報です。売りたいときに売れない可能性を示します。
  • 自分の売買価格の妥当性|集計値(価格一覧)と自分が使う取引所の板を比べる習慣は、スプレッドの広い時間帯を避けるのに役立ちます。

よくある質問

いまJapan premiumはどのくらいですか。

当サイトでは常時の乖離率を公表していません。集計値は価格一覧で確認できますが、これは国内取引所のレートではないため、比較には自分が使う取引所の板を見る必要があります。数字を出すなら測定方法を明示すべきで、それができていないものは書かない方針です。

海外取引所を使えば安く買えますか。

価格だけで判断できません。日本居住者向けに無登録で勧誘することは認められておらず、トラブル時に日本の法律にもとづく対応を期待できません。円の入出金もできないため、送金コストが加わります。

取引所間の送金だけで儲かるサービスは信頼できますか。

「価格差で確実に利益が出る」と勧誘するものには注意してください。上記のとおり、実行には資金・時間・限度額の制約があり、確実な利益という説明と両立しません。

当サイトは情報提供のみを目的としており、投資助言を行いません。海外への資金移動には法令上の確認事項が伴う場合があります。免責事項