銘柄: 18,090時価総額: 353.69兆円 1.6%24時間出来高: 9.39兆円BTC ドミナンス: 56.2%ETH: 10.0%恐怖・貪欲: 27 恐怖

NISAで暗号資産は買えるのか|制度の対象と考え方

結論から書きます。NISAの口座で暗号資産そのものを買うことはできません。iDeCo(個人型確定拠出年金)でも同じです。理由は制度の設計にあります。

NISAの対象になっているもの

NISAは、対象となる金融商品から生じる配当・分配金・譲渡益を非課税にする制度です。対象は上場株式や一定の要件を満たす投資信託・ETFなどで、いずれも金融商品取引法上の有価証券に区分されるものです。

一方、暗号資産は資金決済法上の暗号資産として扱われ、有価証券ではありません(法定通貨に連動するステーブルコインはさらに別の「電子決済手段」という枠です)。制度の対象商品の枠に入っていないため、NISA口座で保有する対象になりません。

また、NISA口座を開設できるのは証券会社などの金融機関で、暗号資産交換業者はその枠組みの中で暗号資産を非課税口座に入れる立場にありません。

「暗号資産関連の株や投資信託」は別の話

暗号資産そのものは買えませんが、暗号資産に関連する上場株式はNISAの対象になり得ます。取引所を運営する企業、マイニング事業者、決済関連企業などです。ただしこれは暗号資産の価格に連動する商品ではなく、その企業の業績と株式市場の評価が価格を決めます。

海外には現物のビットコインを裏づけとするETFがありますが、日本のNISAで買える商品かどうかは、その商品が国内で販売可能な形で取り扱われているか、そしてNISAの対象要件を満たすかによります。この点は制度と商品の取扱状況が変わりうるため、口座を持っている金融機関の取扱商品一覧で確認してください。当サイトでは特定の商品が対象かどうかを断定しません。

非課税で持てないことの実際の影響

暗号資産の利益は2026年7月時点で原則として雑所得(総合課税)です。NISAが使えないことに加えて、次の点が効いてきます。

  • 累進税率|所得税5〜45%+住民税10%。株式の申告分離課税(20.315%)より高くなる場合があります。
  • 損益通算ができない|給与所得などと相殺できません。株式なら他の株式の損失と通算し、3年間繰り越せます。
  • 繰越控除がない|今年の損失を翌年の利益から引けません。

つまり税制面では、暗号資産は株式より不利な条件に置かれています。この差を認識せずに「株と同じつもり」で売買回数を増やすと、税負担が想定を超えます。

2026年度税制改正大綱で示された方向

2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱では、一定の要件を満たす暗号資産について20%(復興特別所得税を含め20.315%)の申告分離課税と3年間の繰越控除へ移行する方針が示されました。

ただし注意点が2つあります。大綱は方針であって成立した制度ではありません。そして適用は2028年からと見込まれています。いま申告するのは現行の雑所得の扱いです。将来の税制を前提に売買計画を立てるのは、根拠として弱いということになります。

なお、大綱で示された方向は課税方式の変更で、NISAの対象に含めるという話ではありません。詳細は税金と確定申告のページにまとめています。

制度の枠内でできること

非課税枠が使えない前提で、実務的にできるのは次のようなことです。

  • 売却する年を意識する|総合課税なので、その年の他の所得と合算されます。所得の低い年に利益確定するほうが税率は低くなります(ただし相場は選べません)。
  • 雑所得内での相殺を漏らさない|複数の取引所・複数の銘柄の損益は雑所得内で合算できます。1社だけを見て判断しないでください。
  • 必要経費を記録する|取引手数料、送金手数料、ガス代は差し引けます。
  • 取得価額の記録を残す|これが最大の節税要因です。記録がなければ不利な計算になります(計算のやり方)。

よくある質問

iDeCoでは買えますか。

できません。iDeCoの運用商品は制度上定められた範囲(定期預金、保険商品、投資信託など)に限られており、暗号資産は含まれていません。

暗号資産の投資信託は日本にありますか。

取扱状況は時期によって変わるため、当サイトでは断定しません。証券会社の商品一覧で確認してください。名称に暗号資産関連の語が入っていても、現物を保有する商品と関連企業の株式に投資する商品は性質がまったく違います。

NISAで買えないのは危険だからですか。

制度の対象商品の区分の問題です。危険度の評価とは別の話です。もっとも、暗号資産の価格変動は株式より一桁大きく、投資額を失う可能性は現実的です。

当サイトは情報提供のみを目的としており、投資助言・税務助言を行いません。制度に関する記述は2026年7月時点の一般的な整理です。個別の商品がNISAの対象かどうかは、金融機関の情報で確認してください。免責事項